調査士報告方式が危うい? (2020.1.30)


先日、建物滅失登記を申請して一週間くらい経ったとき、法務局から補正のメールが届きました。

法務局に建物図面がある簡単な取り壊しの登記で、取り壊した跡地には現在新しい建物が新築中ですので、よほどのことが無い限り補正が出るような申請ではありません。

補正が出るとすれば工事会社の証明書に押印された実印が相違している位しか考えられんけどなぁと思いつつ、申請用総合ソフトを立ち上げました。

少しドキドキしながら補正コメントを開いて見てみると、次のように記載されています。

「1 委任状、滅失証明書、撮影方向図面及び案内図について、『スタイルシートを正しく指定していません』のメッセージが表示され、印刷されませんので、再度送信願います。」

メッセージには、調査報告書以外のPDFファイルが印刷されないと表示されています。

この「つれづれなるままに、一言」でも、「PDFファイルの電子署名でご注意(2020.7.8)」で紹介しましたが、またまた同じたことが起こりました。

それに前回の「添付したPDFファイルの電子署名がおかしい」というだけではなく、今度は

「印刷されません」

とのこと。

担当官に電話して、改めて

「添付しているファイルは法務省が提供する申請書総合ソフトで電子署名をしたこと」

「(法務局で)エラーが出ることは以前からわかっていること」

を説明したところ、再度検討してくれることになりました。

ところがその日の夕方遅くにまた電話があり、

「撮影方向図面と案内図は開いたが、委任状と滅失証明書開かない」

「調査士報告方式を止めて、普通のオンライン申請(半ライン申請)にしてもらえないか」

それはできません。おかしいですね。フォルダの中にあるPDFファイルだけを開くことはできませんか・・・などと話しをしていたら、「あっ、開きました」「先に進めます」・・・。

今回は、熊本会が会員に配布した「法務省が提供する申請用総合ソフトにおける署名検証時のメッセージについて(お知らせ) 」を法務局に送ることなく、翌日の朝登記が終わりました。

一件落着です。


やらやれと一安心したその日の昼過ぎ、別の建物滅失登記について、別の担当官から電話が入りました。

「添付されたPDFファイルがおかしい」

おいおいまたかよ・・・と思いつつ、昨日も別の登記で同じような補正が出て、担当官の方でいろいろ機械を操作していたらPDFファイルが開いたので、(あなたも)やってみて欲しい旨を話しました。

20分くらいしてまた電話があり、PDFファイルは開いたので登記は先に進めるが、エラー表示は出ているので、今後の為にエラーが出ない電子署名の方法を教えたい・・・、との親切な電話でした。

ワタシはじじいですので若い人の親切なアドバイスには素直に耳を傾けた方がいいのでしょうが、少しカチンときたワタシは、アクロバットやリーダーを使ってPDFファイルの電子署名はできること、ただそれをすると添付書類の一つ一つに電子署名をしなければならなくなること、法務省が提供している申請用総合ソフトを使えばそれが一発でできること、一つ一つ電子署名をしなければならなくなるとワタシたち土地家屋調査士が調査士報告方式を面倒くさがってやらなくなるようになるかもしれないことを説明しました。

口の減らないじじいだとあきれたのでしょうか、担当官はその後電話を切りました。

ああ、またやってしまった(反省)

申請用総合ソフトでする電子署名の内容を詳しく把握していない土地家屋調査士なら、法務局からこのような補正を出されたら仕方なく従うのも仕方が無いなと思い、改めて皆さんに次の文書の存在をお知らせします。

ご利用下さい。

法務省が提供する申請用総合ソフトにおける署名検証時のメッセージについて(お知らせ)


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