申請書総合ソフトに新しく電子署名ツールが実装されたことは、皆さんご存じだと思います。*1
この電子署名ツールは複数のPDFファイルに一括署名ができますので、わたしたち土地家屋調査士にとっては大変有り難いツールです。
しかし、署名方法が従来のやり方と異なり、PDFファイルに署名用のXMLファイルを付け加えることで電子署名となる構造になっているためため、法務局でトラブルもあるようです。
5月の中旬、東京の会員の方からメールを頂きました。
メールには、この方法で電子署名をしたところ、「担当の登記官から、PDFとXMLが分かれてしまっているが、これは通常図面を送ってもらうときのやり方だと思うので再度PDFにそのまま電子署名するようにと」と言われて、PDFファイルに一つずつ従来のやり方でPDF署名をして改めて送信したと書かれていました。
電子署名の仕方が、どこか間違っているのだろうかと思われたのでしょう。
そこで、熊本会では同様の問題がすでに起こっており、その対応として「法務省が提供する申請用総合ソフトにおける署名検証時のメッセージについて(お知らせ) 」という文書が配布されていましたので、この文書を送って、この文書の内容を担当官に伝えたらどうかと返事をしました。
で、明日人吉の法務局に決死の思いで添付書類を届けようと準備をしていたとき、提出中の建物滅失登記について担当官から電話があり、添付したPDFファイルの電子署名がおかしいので、電子署名をし直して送り直してほしいと言われました。
ワタシは申請書総合ソフトの電子署名ツールを使って正しく電子署名をしたという自負がありましたので、送ったファイルのどれかが壊れているのかなと思い、6つ送ったPDFファイルのうちどれがおかしいのか尋ねました。
「全部です」
全部の電子署名でエラーが出ると・・・。
先日いただいたメールの内容と同じことが、ワタシ自身にも起こった。
そう思ったワタシは、添付しているファイルは法務省が提供する申請書総合ソフトで電子署名をしたこと。(法務局で)エラーが出ることは以前からわかっていること。もし全部電子署名を従来の方法でやったら、6つのPDFファイルに一つ一つパスワードを入力して電子署名をしなければならないこと。もし申請書総合ソフトを使って一括署名ができないとなると、電子署名が煩わしくなり、調査士が調査士報告方式をやらなくなるようになるかもしれないことなどを熱っぽく伝えました。
そして、その後上記の文書をファックスして、検討をお願いしました。
ワタシの熱弁が功を奏したのか、上記の文書の効果なのか、今日昼過ぎに人吉から帰ってきたら、登記は無事終了していました。
たぶん、上記の文書の効果でしょうから、皆さんも同様のことがあったら、ぜひこの文書を担当者に見せて対応をしてください。
そして、法務局がこの様な対応をするのは、担当者のせいではなく、申請書総合ソフトの進化に対応していない法務局のコンピューターのせいであることを、くれぐれもお忘れ無きように・・・。
*1 「申請用総合ソフトで電子署名」を参照してください。