私が住む熊本市中央区は、電気、ガス、水道が復旧し、時々揺れる余震と所どころで倒れたブロック塀の残骸がなければ、地震前の日常と勘違いするほど落ち着いてきました。
このくらいで済んでよかったと、胸をなで下ろしています。
しかし、・・・。
本震から十日目の昨日の日曜日、14日の前震の直後に亡くなったいとこの司法書士の葬儀に参列したあと、車を益城町まで走らせました。
テレビのニュースなどでは、震度7が2度も襲い、相当数の建物が倒壊しているという情報が流されていますが、実際のところどういう状況なんだろうと、この目で確かめたかったからです。
状況は、想像を遙かに上回るものでした。
益城町の県道28号線は、2週間前に南阿蘇に行く途中通ったばかりですが、その時とは全く変わっており、すでに倒壊してしまった建物や1階が押しつぶされた建物、1階が拉げてもう一度強く揺れると完全に倒壊してしまうと思われる建物が、県道沿いに並んでいました。
また、県道よりも数m低くなった土地に建物が寄り添うように建っていた、私たち夫婦が一番被害を心配していた交差点付近では、思った通り多くの建物が倒壊していました。
道路には警察の車両が駐在して通行ができないようになっているところをみると、よほどひどい状況なのでしょう。
県道から少し中にはいると、現代風の建物は壊れずに建っていましたが、古い農家の住宅や納屋などは、傾いたり完全に倒壊してしまったものが多く見られました。
震度7が2回襲った益城町は、6弱(一部5強)と6強(一部6弱)の揺れが1回ずつあった熊本市内とは、被害が桁違いに違います。昨日テレビで放送していましたが、最初の震度7の前震で倒壊しなかった建物も、次の震度7の本震で壊れたものも多いそうです。
私は土地家屋調査士ですから、壊れた建物を見るたびに、この建物は滅失登記の対象となるのかならないのかとか、きっと難しい事例もあるだろうなとか考えながら車をゆっくり走らせました。
東日本大震災の後と同じように、いずれは建物の滅失調査で法務局のお手伝いをすることになると思います。
明日26日には、熊本県司法書士会主催の「震災で被害に遭われた方々に対し法的な支援活動を行うにあたって、必要となる知識を確認し、被災者等の相談に対応できるための研修会」が開催されます。
司法書士として少しでもお役に立てればと思い、私も参加します。司法書士会は参加者が余り多くないと思ったのでしょうか、当初会場は司法書士会館になっていたのですが、参加者が多くて会場がアークホテル熊本城前に変更されました。
被災者を助けたいと思う同職は多いのでしょう。