分筆ば、してみらんね。 (2009.4.12)


今回も、表示の登記に関してのお話しです。

今から約1年前に、「既存」物件と「新設」物件の話しをここで取り上げましたが、そのとき次のように書いています。

「ところで分筆登記の場合ですが、登記の目的を「分筆」としようが、「分筆登記」としようが、申請すると必ずエラーが出るようです。これは、申請書作成支援ソフトを使って申請書を作ると、分筆後にできる新たな土地について、必ずパラメータが「既設」となることが原因のようです。どうも申請書作成支援ソフトのバグ(プログラムミス)ではないかと考えられます。

分筆登記の場合はプログラムの改良を待つほか無いでしょう。」

さて、今回申請書作成支援ソフトがV4.1Aへバージョンアップされましたが、上記の点が改良されていることを、私は3日前にやっと知りました。それも、いつもの荒井さんの掲示板で。

そういえば、最近私は分筆登記をやっていませんでした。(^_^;)

まぁ、個人の事情はどうでもいいですが、今回のバージョンアップで、分筆登記の際の「既存」物件と「新設」物件が明確に区別されて入力できるようになりました。そして、「既存」物件の欄に入力した土地には「既存」のパラメータが、「新設」物件の欄に入力した土地には「新設」のパラメータが付き、法務局でもエラーが出なくなったそうです。


もう少しわかりやすく説明しましょう。

申請書作成支援ソフトを立ち上げて、

「12.登記申請書(表示の登記)(2)分筆」(代理申請用)

を選択します。

そうすると、分筆する土地を入力する欄(No.1)には[分筆新地追加]ボタンが、分筆により新たにできる土地を入力する欄(No.2)には「(新地)」の表示が現されています。

前者が「既存」物件の欄で、後者が「新設」物件の欄です。


1.1筆の土地を2筆に分筆する場合

ですから、1筆の土地を2筆に分筆する場合には、分筆する土地の表示をNo.1欄に、分筆されて新たに作られる土地の表示をNo.2欄に入力すると、法務局でエラーが出ることなく分筆登記の申請をすることができます。

ところで、このように1筆の土地を2筆に分ける申請の場合は初期設定のまま使えばいいのですが、1筆の土地を3筆以上に分筆する場合や、同一申請書で2筆以上の土地を同時に分筆する場合には少し注意が必要になります。

2.1筆の土地を3筆以上に分筆する場合

1筆の土地を3筆以上に分筆する場合は、必ず「既存」物件の欄の[分筆新地追加]ボタンをクリックし、


新設」物件の欄を追加して、これ(No.3欄以下)に3筆目以降の分筆後の表示を入力します。


もし間違って、上の方にある「不動産の指定方法」欄に表示されている[表示物件追加]ボタンをクリックして欄を増やすと、「既存」物件の欄が追加されてしまいますので、このまま入力すると法務局でエラーが出ます。


もっとも、そのまま続けて、追加された欄の[前物件複写]ボタンをクリックすると、No.2欄に表示された「新設」物件を複写しますので、追加された欄も「新設」物件に変わります。この後分筆後の表示を入力しても結果オーライです。

3.同一申請書で2筆以上の土地を同時に分筆する場合

同一申請書で2筆以上の土地を同時に分筆する場合には、2とは逆に[表示物件追加]ボタンをクリックします。


そうすると、[分筆新地追加]ボタンと[前物件複写]ボタンが付いた入力欄が出てきます。これは「既存」物件の欄です。

続いて、新しくできた「既存」物件の欄の[分筆新地追加]ボタンをクリックして、


新設」物件の欄を追加します。


こうすると、2筆の土地をそれぞれ2筆に分筆する申請ができます。3筆以上に分筆するときは、さらに2の作業と組み合わせて欄を作ります。

その後、No.1欄とNo.2欄に分筆する1筆目の土地の入力を、No.3欄とNo.4欄に分筆する2筆目の入力をすればOKです。

なお、物件の表示を入力するときには、[前物件複写]ボタンは使わないようにしてください。これを使うと、「既存」物件の欄が「新設」物件の欄に変わったり、その逆になったりして、折角作った欄がメチャクチャになることがあるからです。



以上のようにして新しい欄を作って申請書を作成しますが、パソコンに詳しい方は次のようにしたらいいでしょう。

申請書作成支援ソフトでできた申請書ファイルの中の「ex1101.xml」というファイルをテキストエディタで開きます。そして、「<物件状態>」のパラメータが、

  1. 分筆する既存の土地なら、「<物件状態>既存</物件状態>」に
  2. 分筆してできる新しい土地なら、「<物件状態>新設</物件状態>」に

なっていることを確認しながら申請書を作成します。


こうすると、「既存」物件と「新設」物件の関係がよくわかります。



最後に、「登記の目的」に関する注意事項をひとつ。

この書式の「登記の目的」欄を見ると「分筆登記」になっていますが、この登記の目的を「分筆」に修正しても構いません。

しかし、登記の目的を「分筆登記」か「分筆」以外の表現にすると、このソフトでは「既存」物件と「新設」物件の区別がつかなくなり、全て「既存」物件になってエラーの原因になりますので、決して変更しないようにしてください。

勿論、「土地分筆登記」とすることもダメですし、「地積更正・分筆」と入力することも厳禁です。

なお、地積更正・分筆登記の場合は、登記の目的を「分筆」か「分筆登記」とし、「その他の欄」に「地積更正・分筆」と入力すればいいとの情報もあります。詳しくは前出の荒井さんの掲示板を見てください。


以上、今回も荒井さんの掲示板の情報を利用させてもらいました。

投稿された皆さん、ありがとうございました。m(_ _)m

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