表示の登記のオンライン申請の件数が、ほとんど伸びません。
荒井さんの掲示板で、啓さんが紹介されている記事では、表示の登記のオンライン申請はオンライン申請全体の約1%です。
「オンライン申請をせんですか。」
「表示の登記では、オンライン申請をするメリットがなか。だけん、せん。」
「表示の登記のオンライン申請は、おもしろかですよ。」
「そぎゃんね? 暇んできたら、するかも。」
権利の登記では、登録免許税の1割、5000円までを減税するという減税措置があり、司法書士の心中には、皆がオンライン申請をするようになったとき、自分だけ置いてけぼりをされるのは嫌だ、という心理が働いているようなので、皆割と進んでオンライン申請に取り組みます。その意味では、政府のインセンティブ計画は大成功だったのでしょう。
そして、おもしろいもので、皆やっていく内に、段々パソコンにもオンライン申請にも強くなっていくようです。
一方、表示の登記はというと、もともと登録免許税が不要な登記が多く、登録免許税が必要な分筆・合筆の登記でもどんなに高くても普通数千円の登録免許税ですから、仮に1割の減税があったとしても、たかがしれています。
このように減税の恩恵というインセンティブがない状況に加え、登記所の窓口でもできるだけオンライン申請が出ないようにしたいようで、ある登記所では(決して熊本県ではありません。(^_^;))表示登記をオンラインで申請すると、
「表示の登記でオンライン(半ライン申請)やっても、メリットないでしょ 。」
と面と向かって、それも立て続けに言われることがあるとか・・・。そういえば、私も以前会社の登記をオンライン申請で出し始めた頃、同じようなことを言われたような記憶があります。
確かに、申請書をプリントアウトしたり、後日提出された添付書類を合綴したり、私たちが今までしていたことを替わってやるのですから、嫌がるのも少しはわかりますが・・・。給料もらってるんでしょ。
日調連も、「らくらく」を改良したり、XML署名ソフトを作ったり、簡易XML作成ソフトを開発したりして、ツールの提供には非常に熱心です。
しかし、どうやったらオンライン申請をやりたいと思うようになるのかという、「気持ち」の面でのサポートは、オンライン登記申請促進委員に任せっきりで、委員に対する助言すらありません。全部あなた任せ。
そこで、オンライン登記申請促進委員は、どうにかしてオンライン申請を普及させようと頭をひねくっていますが、如何せん、笛ふけど踊らずで、少なくともワタシは今、お手上げの状態です。馬だって、水辺に連れて行くことはできても、水を飲むかどうかは馬の気持ち次第ですもんね。あっ、これはあくまでたとえ話です。(^_^)
今後も、表示の登記のオンライン申請は、低空飛行のまま続いていくのでしょうか。
そして、オンライン申請の世界にほとんど無縁のまま、「そういえば、前にそういう資格があったねぇ。」と、懐かしい過去の話になってしまうのでしょうか。
何の資格かって?