先日このコーナーで、アクロバットがインストールされていないパソコンでは、「らくらく」で特例方式の設定さえもすることができないと嘆きました。
そして、日調連の今後の対応に期待しました。
しかし、未だその動きはありません。
少し長くなりますが、平成19年度第2回全国会長会議の資料「オンライン登記申請の促進について」に記載された事項を、次にご紹介します。
1 (省略)
2 会員が上記1のオンライン登記申請を行うにあたり、ある程度のステップ(段階)を経る必要があると考えることから、会員のレベルや状況等に合わせ次の4ステップを明示し、さらに、会員がステップ1から順次オンライン登記申請に馴染んで行くよう指南します。
ステップ1
「乙号申請(環境設定が必要、電子署名不要)」(別添資料3)
乙号申請をオンラインで行う事であり、これによりオンライン登記申請の環境設定を行う事ができる。(以下省略)ステップ2
「特例方式(申請情報への電子署名)」(別添資料4)
申請情報のみをオンラインで送信(資格者の署名付き)し、添付情報はすべて特例方式として登記所に2日以内に原本を提供する。(郵送又は持参) 。ステップ3
「添付情報の電磁的記録化(PDF等)による先行送付方式」(別添資料5)
申請情報に加え、委任状を含めた添付情報を全て電磁的記録化(PDF等)したうえで電子署名を付して登記所に送信する。原本は2日以内に登記所に提供する (郵送又は持参) 。ステップ4
「本則オンライン方式」(別添資料6)
本則に基づくオンライン登記申請であり、申請情報及び添付情報等に当該電子署名が付される。また、図面類については、XMLに変換し送信する。さらに、添付情報の原本については、登記令第13条2項により登記所へ提供する(郵送又は持参) 。
このように、日調連は全国の会長に向かって、オンライン申請のステップアップメニューを発表しました。
しかし、その具体策の第1歩である環境設定ソフト「らくらく」は、アクロバットがインストールされていなければ特例方式の環境設定ができない「特殊」なものでした。
前にも書きましたように、特例方式で申請するだけなら、アクロバットは必要ありません。
日調連は、明らかに上のステップ1から直接ステップ3へジャンプしてしまい、ステップ2を無視してしまったのです。
前段で、「会員のレベルや状況等に合わせ次の4ステップ を明示し、さらに、会員がステップ1から順次オンライン登記申請に馴染んで行く よう指南します。」と謳っていながらです。
日調連が今もこの方針に変わりがないのなら、アクロバットがインストールされてなくてもステップ2の環境設定ができるように、すぐに「らくらく」を改良すべきです。
そして、ステップ1から、順次ステップ2、ステップ3へと徐々にレベルアップができるよう「指南」する態勢を整えるべきです。
ワタシは、この「べき」という言い回しが嫌いです。
しかし、ここでは敢えて「べき」を使います。
もっとも、「らくらく」がリリースされたときの日調連の対応を考えると、あまり期待しない方がいいのかもしれませんが・・・・。
ここからは内緒の話です。(と、ブログに時々書かれるようですが、インターネットで内緒のはずないだろう。(^^;))
「らくらく」が公開されたときの、日調連のサポート態勢に関するものです。
公開直前に、日調連から単位会へ次のような通知がなされました。
「同ソフトに対する会員からの問い合わせが予想されますが、基本的には、当該会員が所属する土地家屋調査士会のオンライン申請促進委員会で対応いただき、云々・・・。」
この通知を見て、オンライン申請促進委員はビックリしてしまいました。
この通知の時点のみならず、現在に至っても、日調連からオンライン申請促進委員に対して、「らくらく」の詳しい使い方等の説明や、質問に対する対応の仕方の説明は全く何もありません。開発したソフトハウスすら公表されていません。
「冗談じゃなかばい。」
どうやって対応しろと言うのでしょうか。
ですから、余り期待はしていません。
もし日調連が、本気で会員にオンライン申請を奨めたいのなら、アクロバットがインストールされていないパソコンでも特例方式の環境設定ができるように、「らくらく」を改良をしていただけませんか。
それとも、もう、奨めるのを止めたんでしょうか ・・・・ 。