オンライン申請環境設定ソフト「らくらく」を使うと、半ライン申請すらできない場合があります。
日調連から土地家屋調査士に無料配布された「らくらく」は、とてもいいソフトだと思ったので、今日ワタシのホームページに使い方の解説をアップしました。
アップした時点で、一抹の不安はあったのですが、まさかそんなことはあるまいと日調連を信じて、先行アップしました。
一抹の不安とは、アクロバットをインストールしていないパソコンでは、どういうふうに進んでいくんだろうかということです。
ところで、申請書だけ送信すればいい表示登記の半ライン申請では、アクロバットがなくても、乙号申請ができる環境に調査士電子証明書(ICカード)ドライバだけインストールすれば、申請することができます。
ですから、普通に考えると、「らくらく」の途中のメニューに、アクロバットがインストールされている場合とされていない場合の選択肢があり、アクロバットがある場合はPDF署名プラグインソフトをインストールし、無い場合はこれをスキップしてXML署名ツールのインストールに飛ぶ ・・・・ と思うのが自然でしょう。
これがソフトの一般的な設計ですから。
しかし、「らくらく」を「普通」のソフトと考えたのが間違いでした。
これは、とても「特殊」なソフトです。
ワタシのホームページに「らくらく」の解説をアップした後で、アクロバットをアンインストールしたパソコンで、「らくらく」を走らせてみました。
そうしたら、アクロバットがインストールされていないパソコンでは、甲号申請の環境設定を全くさせないという設計になっていることがわかりました。
「らくらく」のメッセージ曰く。
「必要なソフト、またはドライバがインストールされていません。このソフトを中止し、インストールを行ってください。」
アクロバットがインストールされていないパソコンでは、半ライン申請の環境設定すらできないのです。
「アクロバットがなければ、買ってインストールしろ。」というのが、日調連の考えでしょうか。
あるいは、折角金出してアクロバット用の調査士専用PDF署名プラグインソフトを作ったんだから、これを使ってもらわなければ困る ・・・・ というのでしょうか。
いや、日調連がそんなことを考えるずはありますまい。
きっと、オンライン申請には必ずアクロバットが必要だと、勘違いをされているのでしょう。
ワタシのホームページでも紹介していますが、PDF署名ができるソフトには、アクロバット単体よりも安く、しかもPDF署名に関する機能面で数段優れているソフトがあります。ですから、オンライン申請でしか使わないのなら、何も価格が高いアクロバットを買う必要はありません。
それよりも何よりも、申請書だけを送ればいい半ライン申請にはPDF署名は必要ありません。調査士電子証明書(ICカード)ドライバがインストールできればいいのです。
「らくらく」が改良されない限り、半ライン申請をしたければ、高価なアクロバットを購入するか、「らくらく」を使ってオンライン乙号申請の環境設定を済ませたあとで、自分で調査士電子証明書(ICカード)ドライバをインストールするしかありあません。
日調連の早急な対応を望みます。
最後に、
オンライン申請に必要なもの = アクロバット
ではなく、
オンライン申請に必要なもの = PDF署名
であることを、肝に銘じたいものです。