平成20年3月21日に、全国的な規模で、オンライン申請ができない状態が続きました。
たまたま、ワタシは初めてオンラインで供託をしようと思い、その予行演習をしていました。その日の午後1時半頃からオンライン申請システムにログインし、供託書の申請書を作成し始めました。供託の場合は予め申請書を作るのではなく、オンライン申請システムにアクセスしてから申請書を作らなければなりません。
一応申請書ができあがったので、電子署名まで練習しておこうと思って、ICカードをセットしてパスワードを入力しましたが署名ができません。「あぁ、切替ツールで司法書士ICカードに切り替えてなかったんだ。」と、ここはひとたびオンライン申請システムからログアウトしました。
すぐに司法書士ICカードに切り替えて、再びオンライン申請システムにアクセスしました。しかし、今度は何度やってもエラーがでて、ログインできません。
そして、次のメッセージが出ます。
「システムがたいへん混雑しております
只今、システムが大変混雑しております。ご迷惑をお掛けしますがしばらく経ってからアクセスしてください。」
ワタシは、てっきりみなさんが休み明けで張り切って申請しているためだろうと、好意的に解釈しました。
そして、「混雑なら、頻繁にアクセスすれば運良く繋がることもあるだろう。」と思い、何度もアクセスしました。ワタシのパソコンには「チューチューマウス for WIN32」というソフトが入っていて、マウスを操作しなくてもカーソルが必要なボタンを行ったり来たりしますし、ユーザIDやパスワードは記憶されていますので、アクセスは簡単です。それこそ、何度も何度もアクセスし続けました。
話は変わりますが、釣り人には短気な人が多いと聞いたことがあります。なかなか釣れなくても、短気だから「もうすぐ釣れる。もうすぐ釣れる。」と思って、ずーっと待ち続けられるそうです。ホントかどうかはわかりませが、妙に説得力があります。
ワタシは、どちらかというと気が短いのです。ですから、 2時間以上もの間、何回もアクセスしました。「もうすぐ繋がる。もうすぐ繋がる。」と思っていましたから・・・・。ところが、4時半を過ぎても繋がりませんので(次の日が休みですから、他の仕事の整理もしなければなりません。)、4時40分頃にアクセスをやめました。
そして、5時半を過ぎて再びアクセスしたところ、今度はすぐにログインできました。
「おっ。今日の受付も終わったので、混雑も解消か。」と、ワタシは素直に喜びました。
混雑はどの程度のアクセスで起きたのかデータが公表されていないかと思って、オンライン申請システムの新着状況を確認しました。そうしたら、次のメッセージです。
「本日,14時ころから,法務省オンライン申請システムに関連する通信機器に不具合が発生し、ログインができない状態となっておりましたが、16時40分ころ復旧いたしました。」
ショックでした。システム障害とは知らず、2時間もの間何十回とアクセスしようとしていたワタシは一体何だったんだろう・・・・。
時は金なりです。休みと休みの間の貴重な金曜日(前日は祝日で、休みでした。)の午後、ワタシは2時間以上もの間、繋がるはずもないオンライン申請システムに全く無駄な時間を費やしていたわけです。「日当に換算したら」などと、ケチなことを言うつもりはありません。しかし、この怒りをどこへぶつけていいのやら。
情報は、正しく伝えてほしいと思います。最初からシステム障害だと解っていれば、無駄なアクセスはしません。今後もこのように、システム障害のときに「混雑して繋がらない」というような誤ったメッセージが流れるなら、利用者はオンライン申請システムで流されるメッセージは全てでたらめだと思ってしまいます。
少なくともワタシは、今後「混雑して繋がらない」というメッセージが流されたら、明晰な脳の回路が、
「混雑して繋がらない」=「システム障害」
と即座にリンクして、ああ、やはりオンライン申請システムは、未完成のシステムなんだと思ってしまうでしょう。
そして、未完成のシステムを使って申請をするのなら、もし何か起こってもこちらに被害が少ない登記だけにしようと、改めて心に誓うのでした。