この取扱い、どぎゃんかならんかい (2008.3.2)
司法書士や土地家屋調査士に半ライン申請を積極的にやって欲しいと考えているなら、もっと使いたいと思わせる工夫が必要でしょう。利用させる側の理論ではなく、利用する側の立場に立った検討をして貰いたいものです・・・誰とは言いませんが。
半ライン申請がどんどん利用されるためには、少なくとも次の改良が必要でしょう。
1.登記原因証明情報に関する取り扱いを改める。
- 登記原因証明情報の事前添付を止める。
- それは不可能でしょうから、登記原因証明情報の補正を認める。
登記原因証明情報を添付させるのは、順位確保の為だけの虚偽申請を防止するためだそうです。ですから、もし添付が必要ならば、補正(ただし、紙申請の場合と同じ程度の軽微な補正に限りますが・・・・)後の登記原因証明情報(PDF)を再送信させる方法などの補正を認めれば、躊躇することなく積極的に半ライン申請するようになる・・・・はずです。
2.半ライン申請の場合も、受領書を請求できるようにする。
- 受領書を希望するのは、半ライン申請をした代理人ではなく、紙の委任状を交付した申請人本人です。半ライン申請のときは受領書を発行しないということは、法務省が申請人本人に対して、「申請が受領されたかどうかは、オンライン申請システムでチェックしなさい。」といっているのでしょう。
オンライン申請が普及しないのは資格者代理人が利用しないせいだということで、特例方式と減税措置で資格者代理人の尻を叩くところを見ると、法務省は申請人本人がオンライン申請システムを利用することはまれなケースだと判断しているのでしょう。そのまれなケースで、受領されたかどうかをオンラインで確認しろというのは、申請人本人は受領されたかどうか確認しなくてもいいといっているようなものでしょう。
登記実務において、まだまだ受領書の需要は大きいと思われます。「受領書が発行されないから、抵当権設定は半ライン申請をせずに紙で申請しよう。」と決めている資格者代理人は、ワタシの他にも結構いるのではないかと思いますよ。
2.登記識別情報有効証明請求の対応をコンピューターに任せる。
- コンピューターに自動的に対応させるようにシステムを改良をする。
登記識別情報の有効性確認をオンライン申請でやると、べらぼうに時間が掛かります。これは、法務局がオンラインによる有効証明申請に慣れていないせいもあり、現場の職員の方々のご苦労は察して余りあるものがあります。
これも、電子化がかえって効率を悪くしている例です。
イエスかノーかの判断は、コンピューターが最も得意にするところですから、登記識別情報が有効かどうかは、コンピューターが独自に確認して証明書を交付するようにできれば、瞬時に対応できるようになります。
資格者代理人の申請かどうかは電子署名で確認ができますし、登記識別情報も格納ファイルに電子化されて入っていますので、これをそっくりそのままコンピューターに流れるようにシステムを改良すれば、申請情報を受信後コンピューターが有効か無効かを数ミリ秒で判断します。証明書を送信する段階で事務官が最終チェックすればいいのではないかと思います。
申請書を紙にプリントして事務官が審査しなければならない現状のやり方では、事務官の負担も大きく、実際の取引に間にも合いません。
半ライン申請の前途も、多難のようです。
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