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まず、「調査士報告方式」とは、いったいどんな方式なのでしょうか。
これからしばらくは小難しい話しになりますが、お付き合い下さい。
実は、ワタシはこのような小難しい話しが好きなのです。
なお、そんな説明はいいから直ぐにやり方を教えろというせっかちな方は、「5.必要なツールとソフト」から始めてください。
1.調査士報告方式とは
さて、調査士報告方式は、令和元年10月7日付けで出された法務省民二第187号の依命通知(以下、「依命通知1」という)で、その方式が定められています。
依命通知1は全会員に配布されているはずですので、目を通された方も多いと思いますが、調査士報告方式とは、
「調査士が代理人となって表示の登記のオンライン申請をするときに、委任状を含め紙の添付書類の全部を代理人の調査士自身がPDFファイルに変換して作成し、また調査報告書と図面を電子ファイルで作成したうえで、申請情報に添付して送信する方式」
です。
なお、ここで「調査士」には調査士法人や調査士の公嘱協会を含みます。
そして、この方式で申請すると、原則として添付書類の提示を求められません。
登記官に、紙の添付書類の原本を見せなくてもいいということです。
それは、PDFファイルを作る前提として、代理人である調査士が、紙の添付書類が「本物だ」ということを確認したうえでPDFファイルにしているとはずだ、という「信頼」が大前提になっています。
ですから、申請人や依頼者から紙の添付書類を預からずに、PDFファイルにしたものを預かって添付書類にすることは想定されていませんし、仮にそれをやったらおそらく懲戒の対象でしょう。
2.これまでの方式は使えるのか
調査士報告方式が始まったからといって、これまでの特例方式(いわゆる「半ライン申請」)や、特例方式と不動産登記令第13条によるPDFファイルなどが混在した方式が使えなくなるわけではありません。
ですから、今後は、次の4つの方式が利用できることになります(開始順)。
実際には本来の完全オンライン申請は難しいでしょうから、調査士報告方式と現行の方式と特例方式の3つの方式から選んでオンライン申請をすることになります。
なお、調査士報告方式で申請したつもりがその要件を満たさなかったときは、取下げの対象になるのではなく、現行の方式として処理されますので、安心して調査士報告方式にチャレンジできます。
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