オンライン申請、やりたかね? (2008.12.14)


裁判所から鑑定測量を引き受けたら、ややこしいことが次から次へと出てくるし、いつもは暇なのにこんな時に限って他の仕事も忙しくなり、このひと月ほど気持ちに余裕が無くなってしまいました。

ところで、精神的に余裕が無くなると、「オンラインで申請したくない」登記というものがあることに気がつきました。


別のところでも書きましたが、商業・法人登記は、社会福祉法人や医療法人のように2年ごとに必ず役員変更をしなければなりませんので、2年前の申請書データが役に立ちます。特に役員が重任する時などは、年月日を修正するだけで申請ができます。

また、申請期限ぎりぎりでも、添付書類が揃っているなら、とにかく申請書だけ送信しておけば、添付書類の提出はゆっくりすることができます。

ですから、続ければ続けるほど、商業・法人登記はメリットを享受できるようになります。


表示の登記は、申請書を送信するだけの半ライン申請ではメリットはほとんどありませんが、調査報告書をPDFファイルにして送信したり、図面をTIFFファイルに変換して添付したりすると、申請書が嵩張らずスマートな申請ができます。

また、建物登記など今まで余り資料を保存していなかった申請についても、申請書や調査報告書を電子データで保存できるので助かります。もちろん土地についても、オンラインで申請することで、資料を電子データで保存することができ、大変重宝します。

表示の登記も、申請件数が増えるほどにそのメリットが感じられるようになります。


それに比べ、権利の登記のメリットの無さ。印紙代が少し安くなるということ以外には、ほとんどメリットはないでしょう。

デメリットは多いですね。

PDFファイルにして送信した登記原因証明情報に少しでも内容に間違いがあれば、即取り下げをしなければなりません。

最悪の場合、システムがダウンして送信できないこともあります。ですから、日付を確保しなければならない抵当権設定登記など、オンラインで申請する気が失せてしまいます。

ところで今までは、不動産の表示を入力するのが結構面倒なので、不動産番号だけ入力して申請していました。しかし、先日法務局から「申請内容のスムーズな認識及び過誤防止のため」に、少なくとも他に所在・地番・家屋番号まで入れて欲しいと、何ともアナログ的な協力要請があり、結局二度手間の作業を強いられてしまいます。

加えて、登記識別情報の格納フォルダを作るときも、他に入力する情報が多くて面倒ですし、あれやこれや考えると、

「えぇ〜い、面倒くさい。紙申請だ。」

・・・ということになります。

このひと月、ほんとに権利の登記をオンラインで申請する気が失せていました。


法務省は、オンライン申請が10%以上(尤も、乙号を含めてのことですが)になるように躍起になっているようですが、甲号事件の中で申請件数の一番多い権利の登記が、オンライン申請をするメリットが少なく、かつ一番面倒くさいという現実を知っているのでしょうか。

せめて、PDFファイルで送信した登記原因証明情報については、紙申請の時と同じ程度の補正を許し*1、登記識別情報通知書は、紙申請と同じように写しを封筒に入れて提出することを認めるなどしないと、権利の登記のオンライン申請は、段々尻つぼみになり、減税措置が無くなればほとんど見向きもされなくなるのではないかと感じた、貴重な1ヶ月でした。

もう、権利の登記は、いやっ。 (^_^;)

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*1 何と、これだけは実現しました。

不動産登記令附則第5条第1項の規定によって登記の申請をする場合に申請情報と併せて提供すべき登記原因を証する情報の取扱いについて(お知らせ)」

あまりのタイミングの良さに、脱帽。


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